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透析患者さんのコロナワクチン接種
どうも鈴木俊嗣です。
今回は主にコロナワクチン接種について、色々と交えながら書いてみます。
①透析患者さんの免疫
よく聞かれるのがコロナワクチンで、接種の必要性についてもしばしば聞かれます。
https://www.nature.com/articles/s41581-022-00617-5
こちらにコロナから得た教訓として色々書いてあります。
透析患者さんの免疫について上記論文から簡単にまとめると
●尿毒症による抗原提示細胞の阻害
●NaiveCD8、NaiveCD4いずれも提示が阻害される
●炎症性サイトカインにより本来作りたい抗体がそちらに使われてしまう
と、専門用語が並んでいます。
簡単に説明しますと
●尿から出る毒素が溜まることで、抗原提示細胞(敵を認識する細胞)の働きが落ちる
●細胞性免疫、液性免疫ともに低下する(こちらの用語は↓のようなリンクを参照いただくと)
https://benesse.jp/kyouiku/teikitest/kou/science/biology/k00629.html
●慢性的な老化炎症により、そちらに抗体が使われてしまっている(老化炎症は↓によくまとまっています)
https://www.m3.com/clinical/open/news/1156946
こういった背景により健康な人よりも抗体が付きにくいです。
ですから、なるべく接種を推奨しております。
②インフルエンザワクチン
上での説明のメカニズムがそのままインフルエンザワクチンでも影響します。
インフルエンザは重症化するとARDSのような重篤な病態に発展しますので、こちらも接種を薦めます。
健康な人に比べると6割程度の抗体しか作られません。
場合によっては有害事象との兼ね合いになりますが、2回を考慮しても良いかもしれません。
いよいよどちらも猛威を振るい始めましたね。
お気をつけてお過ごしください。