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透析とリン
どうも鈴木俊嗣です。
透析患者さんの採血データでよくリンのことをお話しすると思います。
ただ、リンが高いことにたいして、一元的にしか判断されていないことが多いと感じます。
例えば透析効率が悪かったり、シャントが再循環して十分な透析になっていなかったり。
尿素窒素が高くてリンも高いなら、リン吸着薬だけでなく透析側の効率も考えなければいけません。
カルシウム、iPTHと複合的に考える、まではガイドラインなどに載っているので当たり前なのですが。
それ以上に食事だけが要素なのかどうかをきちんと見極めるべきです。
リンと血管石灰化
また、リンが高いことによる血管の石灰化をよく提唱されるのですが。
血管の内膜と中膜、どちらがメインとして作用しているのか。
レントゲンやCTで見える血管の石灰化というのはどちらなのか、とか。
その患者さんに起きている病態を正確に把握すべきことが大切なのです。
血管石灰化の概念がごちゃまぜになってることをよく見かけます。
リンが高いからひとまず透析時間を延ばそう、とか信じられないような判断をみたこともあります。
透析は医師になってからの勉強や取り組みが大切になる
透析についてしっかりと一から清書を読み、常に英語論文などでガイドラインの先を見据えて学ぶこと。
残念ながら透析のことは国家試験ではあまり深く問われません。
ですから、医師になってどれくらいしっかりと取り組んだかが知識量の差として出てしまう分野です。
専門医は確かに制度として確立しております。
しかし、受かってその後のアップデートを怠れば形骸化してしまいます。
当院では幅広く、なるべくここで治療を完結できるように目指しています。
相談などでも大歓迎です。
透析に悩みやお困りのことがあれば一度来院ください。