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透析患者さんのかゆみ
どうも鈴木俊嗣です。
日頃透析診療に携わっていると、かゆみが大きな問題として立ちはだかります。
透析患者さんのかゆみは全く一筋縄ではいきません。
かゆみの原因
もともとが透析で除水をするため乾燥肌になりやすいです。
そこに加えて、尿毒素(尿から排泄される毒素)が影響します。
さらにアレルギーの要素も関与します。
他にも経路がたくさんあって、一つ一つを説明するとチンプンカンプンになってしまいます。
ですから、どうしても薬が多岐にわたります。
基本は保湿なのですが、それに加えて飲み薬が主体になります。
コルスバ🄬
今度新発売となるコルスバ🄬という薬は注射なので、透析の回路から投与できます。
透析患者さんはどうしても飲み薬の種類が多いため、減らす手段や代替を常に考えています。
もともとはレミッチ🄬として内服薬でしたが、レミッチ🄬がどうしても耐性が付きやすいです。
コルスバ🄬がどの程度きくのか、今後に期待したいところです。
ミチーガ🄬
アトピー性皮膚炎の場合は既存治療で難渋する場合、分子標的薬が選択肢に入ります。
掻痒感が強いときはミチーガ🄬といった新薬もあります。
IL-31という物質が透析患者さんとかかわっていることが最近判明しています。
ミチーガ🄬はこの物質を得意的に抑えることができます。
皮膚科の診療だけでは透析の特性を踏まえたうえでの判断が難しいことも多いと思います。
透析の場合は週3回通院しますので、皮膚の細かい変化やかゆみの変動なども考慮しやすいです。
当院では一人一人にそういった要因まで考慮し、治療しています。
掻痒感に難渋されている患者様、一度ご相談ください。